牛の個体識別番号で分かること
牛肉のパックや焼肉店の掲示にある10桁の番号を、独立行政法人家畜改良センターの「牛の個体識別情報検索サービス」に入れると、その牛の出生年月日、雌雄、品種、そしてどこで飼われてどこへ移ったかの履歴が出てきます。番号は1頭ごとに違い、生まれたときに耳標として付けられ、農場を移るたび、と畜されるまで届け出られます。「国産」の札の裏で、実際にどの県でどれだけ飼われていたか、黒毛和種なのか交雑種なのかを、買う人が自分で確かめられる仕組みです。
- 生まれる耳に10桁の番号生年月日・雌雄・母牛・種別を記録
- 育つ農場を移るたびに届出
- と畜と畜まで記録が続く
- 売り場・焼肉店パックや掲示に番号検索サービスで履歴が見られる
番号の付き方
国内で生まれたすべての牛と、生きたまま輸入された牛の耳に、10桁の個体識別番号を書いた耳標が付きます。生まれたときに生年月日、性別、母牛、種別などが記録され、そのあとは農場から農場への移動や、と畜まで、動きがあるたびに届け出ることになっています。この記録を、農林水産大臣から委任を受けた家畜改良センターが集めて保存し、公表しています。
根拠になっているのは「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(平成15年法律第72号)で、2003年12月に施行されました。目的は BSE のまん延を防ぐ措置を確実に行うことと、個体識別の情報を提供することです。牛肉の格付や味とは関係がなく、番号そのものが品質の良し悪しを表すものではありません。
表示の決まり
番号を表示しなければならないのは、枝肉・部分肉・精肉を売る販売業者と、焼き肉・しゃぶしゃぶ・すき焼き・ステーキを出す店(特定料理提供業者)です。小売店は、表示のカードや包装に「個体識別番号」か「荷口番号」(複数の牛の肉をまとめた単位の番号)を表示することになっています。
コンビーフのような加工品と、舌、ひき肉、くず肉は表示の対象外です。だから、ひき肉のパックに番号が無くても決まりに反していません。
検索で分かること
検索で出てくるのは、出生年月日、雌雄、品種、飼養地の異動の履歴です。品種の欄で、和牛の4品種か、乳用種や交雑種かが分かります。異動の履歴で、生まれた県と育った県が分かります。産地の札に書かれた県名は主な飼養地の名前で、生まれた県とは違うことがあり、その両方が履歴に出ます。
出てこないものもあります。検索の結果に、格付の等級や銘柄の名前は出てきません。銘柄を名乗るための条件を満たしているかどうかは、銘柄の側の仕組み(GI の明細書や団体の認定)で確かめるもので、番号の検索だけでは分かりません。
- 〇検索で分かる出生年月日、雌雄、品種、飼われた場所の移り変わり
- ×検索では分からない格付の等級、銘柄の名前
家畜改良センターは、この届出をもとに、飼われている牛の頭数、と畜された頭数、生まれた頭数などを種別・性別・月齢別に集計して公表していて、2026年8月末の時点で2026年7月分までが出ています。