大豆ミートの JAS 規格
大豆ミートの JAS マークは、「大豆ミート食品類の日本農林規格(JAS 0019)」の認証を受けた商品に付いています。2022年2月に制定され、同じ年の3月26日に施行された規格で、区分は二つ。「大豆ミート食品」は、大豆たん白質が10%以上で、原材料を3段階さかのぼっても動物性のものを使っていないもの。「調製大豆ミート食品」は、大豆たん白質が1%以上で、乳と卵は使ってよいものです。どちらも、大豆から作った原料で肉のような食感や形に加工した食品で、パックには肉ではないことの説明を書くことになっています。
二つの区分
「大豆ミート食品」の条件は四つです。大豆ミート原料(大豆や大豆加工品のたん白質を高めて、粒や繊維の形に成形したもの)を使って、肉のような食感・形態に加工していること。原料のアミノ酸スコアが100であること。原材料を1次から3次までさかのぼって、動物性の原材料もその加工品も使っていないこと。そして、製品全体に対する大豆たん白質の割合が10%以上であること。動物性の原材料には、牛・豚・鶏などの肉だけでなく、乳や卵、魚介類、昆虫まで含みます。
「調製大豆ミート食品」も肉のような食感・形態に加工する点は同じで、動物性の原材料のうち乳と卵は使ってよく、大豆たん白質の割合は1%以上です。乳や卵をつなぎに使った商品は、こちらの区分になります。
たん白質の割合は、大豆ミート原料に含まれる大豆たん白の量を製品の重さで割って出します。調味料に含まれる大豆たん白は数えません。製品を分析しても大豆のたん白質だけを分けて測ることはできないので、原料からの計算で決める、と規格の附属書に書かれています。
パックの表示
規格に沿った商品は、見やすい所に「大豆ミート食品」か「大豆肉様食品」、調製のほうは「調製大豆ミート食品」か「調製大豆肉様食品」と書きます。それとは別に、肉ではないことの説明、たとえば「肉を使用していません」「肉不使用」のような一文を、見やすい所に書かなければなりません。消費者が食肉と誤解しないようにするためです。
JAS の認証を受けていない大豆ミートの商品にも、表示の決まりはあります。消費者庁が2021年8月に公表した「プラントベース食品等の表示に関するQ&A」では、商品名に「大豆肉」「ノットミート」のように書くこと自体は、食肉ではないと分かる別の表示(「大豆を使用したものです」「肉不使用」など)があれば景品表示法上は問題にならない、としています。「大豆ミート」「100%植物性」と書く場合は注意が要ります。香料などの食品添加物は植物由来とは限らないので、添加物も含めて全部が植物性だと受け取られないように、「原材料は植物性です(食品添加物を除く)」のような説明が必要になることがある、というのが Q&A の考え方です。飲食店のメニューも、店内の掲示や説明も、同じ法律の対象です。
原材料名の欄には、食品表示基準の「最も一般的な名称」の決まりに従って、「大豆」「大豆加工品」のように書きます。肉や卵を含む言葉は、いまのところ一般的な名称とは言えない、というのが消費者庁の見方です。
アレルギーの表示
食品表示基準で表示が義務になっているアレルギーの原材料は、えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の9品目です。大豆はこの9品目に入っていません。大豆ミートの主原料が大豆であることは、原材料名の欄で確かめます。小麦は9品目に入っているので、小麦のたん白質(グルテン)を使った代替肉には小麦の表示が付きます。
肉の加工品を作る工場で大豆ミートを作る場合、混入を防ぐ対策をとったうえで、それでも可能性を排除できないときは、「本品製造工場では牛肉を含む製品を生産しています」のような注意書きを枠の外に書くことが望ましい、と Q&A は述べています。
原料の大豆
農林水産省の「大豆をめぐる事情」(2026年9月版)は、大豆ミートのような加工度の高い用途では大豆の品質が反映されにくいため、原材料には安価な海外産の脱脂加工大豆を使う場合が多い、と説明しています。国産大豆で作った商品もあります。JAS の区分は、原料の大豆の産地については何も決めていません。