見た目と肉
肉色に赤みがあり、適度な脂肪を含んだ比内鶏の肉は、キジやヤマドリと同じような風味と香気を持つといわれます。鍋で煮立てたときの香りときめ細かな脂肪が特有で、秋田の郷土料理きりたんぽ鍋に欠かせない食材とされてきました。
なりたち
作出は江戸時代と推定され、秋田県北部の地鶏に軍鶏を交配して固定したとする説があります。江戸時代末期にはすでに肉のうまさが知られ、旧藩に年貢として上納したこともあったとされています。明治以降は外国産種鶏の輸入で飼育羽数が著しく減少し、昭和初期には絶滅寸前となりました。1942年、学術的な保存の価値が認められて国の天然記念物に指定されています。
日本では
大館地方の愛好家が細々と血統を守り続け、1972年に設立された秋田県声良鶏・比内鶏・金八鶏保存会が孵卵と幼すうの引き渡しを引き継いできました。現在も約40人の会員により、毎年およそ800個の種卵がふ化されています。
秋田県農林水産技術センター畜産試験場は1973年に保存会から種卵を導入し、体重などの改良を重ねてきました。改良を続けた種鶏群は1996年の第7世代で200日齢の平均体重が雄3.15 kg・雌2.44 kgに達した一方、愛玩として飼育される比内鶏の大きさは導入時からほとんど変わっていません。両方の系統をもとに、比内鶏の雄とロードアイランドレッドの雌をかけあわせた一代交雑種が比内地鶏として流通しています。
