見た目と肉
シュヴェービッシュ・ハル豚は、黒い頭と後躯、白い胴、長めの体、大きな垂れ耳、長い鼻先が特徴の豚です。1844年の記録にはすでに、この毛色の配置に加え、繁殖のしやすさや生まれる子豚の大きさが評判だったと記されています。育ちはゆっくりで、その分の自然な脂肪の層を保っているのが特徴です。
なりたち
原産地はドイツ南西部のシュヴェービッシュ・ハル地方(バーデン=ヴュルテンベルク州)です。生産者団体の記録では、1821年に当時のヴュルテンベルク王ヴィルヘルム1世の命令で、中国・金華地方に由来するとされる豚がイギリス経由でドイツへもたらされ、地元の在来豚と交配されたのが始まりとされています。1925年には最初の育種協会が設立され、1950年代の最盛期には、地元のシュヴェービッシュ・ハル郡での飼育頭数のうち99.2%をこの品種が占めていました。
しかし1960年代以降、均一な体型の豚を求める流れのなかで急速に姿を消し、1969年に血統登録が止まり、1983年には地元紙が「絶滅した品種」の見出しで報じるまでになりました。実際には少数の農家が飼い続けており、1984年の冬に生存していた個体が集められ、翌年の審査で純血と認められたのは7頭でした。1986年に育種協会、1988年には生産と販売を担う農民生産者協同組合(Bäuerliche Erzeugergemeinschaft Schwäbisch Hall)が設立され、そこから飼育頭数の回復が始まりました。
日本では
どろぶたに使われています。生産者の説明によれば、ケンボロー種などとの掛け合わせで育てられています。
世界では
1998年、「シュヴェービッシュ・ハル産高品質豚肉」は、シャンパンやパルマハムと同じ枠組みであるEUの地理的表示保護(g.g.A.)に登録されました。1984年に8頭だった繁殖雌豚は、2020年には4,400頭まで回復し、いまではこの協同組合に1,500以上の農家が加わっています。
